けが・きずあと - 経堂ファミリアクリニック|耳鼻咽喉科皮膚科形成外科美容皮膚科 (自費診療)

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形成外科/けが・きずあと

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外傷とは(その種類)

外傷とは、外力(機械的、物理的、化学的)により生じた組織・臓器の損傷(けが)をさします。形成外科では顔面、手足などにおいて、骨、筋肉・腱、神経、血管の外傷を扱います。ここでは日常生活で最も多く遭遇する、外力により生じた皮膚、軟部組織損傷(いわゆる創傷)について述べます。
創傷は受傷の原因、受傷時の創部状態によって主な内容は以下の通り分類します。

1. 切創(切りきず)

ガラス片や刃物などの鋭利なもので切れたいわゆる「切りきず」です。手足の切創においては、比較的浅いところを走行する神経、血管、腱などの損傷を伴なうことがあるため、早期にそれらの損傷を確認し適切な処置を受ける必要があります。

顔面の切創においては顔面神経(耳前部皮下にある顔の表情を作るための神経)、涙小管(目頭にある涙の排泄路)、耳下腺管(頬部皮下にある唾液の流れる管)などの損傷を伴なうことがあり、形成外科での専門治療が必要となります。また、切創は鋭利なきずのため出血が多く、止血を目的とした処置が必要な場合があります。

2. 擦過傷(すりきず)

道路や塀などにこすりつけることにより、皮膚がすりむけた状態の創傷です。皮膚の損傷自体は浅く、多くの場合縫合せずに治ります。しかし、創面に微細な土砂、ゴミなどが埋入 し、治ったあとも皮膚のなかに残っていしまう場合があります。

この状態を外傷性刺青といい、特にアスファルトなどの黒色の異物は治ったあとがかなり目立ちます。

3. 裂挫創(皮膚が裂けたきず)

鈍的外傷により生じた皮膚の損傷で、切創に比べて傷口周囲の損傷が高度なことが特徴です。

4. 刺創(刺しきず)

先端の尖った鋭利な器具(鉛筆の芯など)が突き刺さって生じる創で、創口が小さくても奥行きが深い事が特徴です。

時には器具の先端が創内で折れて残存し、摘出が必要になる場合もあります。また、深部に創が及ぶと血管損傷や神経損傷、さらには重要な臓器損傷の可能性があります。

5. 咬傷(咬みきず/ヒト咬傷、動物咬傷)

ヒトや動物に咬まれた後に生じる創傷です。歯型に合致した創口形態(きずの形)が特徴的です。
歯に付着している雑菌が体内に押し込められることにより、受傷後の感染の頻度が最も高い創傷のひとつです。

外傷の応急処置と治療

1. 応急処置について

創をきれいに治すためには、はじめの治療(初期治療)がとても大切です。けがをした場合は、すみやかに形成外科のある医療施設への受診をお勧めします。

受傷時は局所をガーゼ等で保護・圧迫、挙上(手足の場合)して、できるだけ早く治療を受ける必要があります。形成外科ではけがをしたときの状況やけがの種類に応じて、創をなるべくきれいに直すように心がけて治療しています。

2. きずごとの治療方法について

一般的にはまわりの組織の損傷は軽度であり、縫ったりすることなどで早くに治すことが可能です(1週間以内)。形成外科においては傷の種類に応じて単に創の閉鎖のみならず、軟膏を塗る、テープによるアフターケアなどを行い、できるだけ傷あとを目立たなくするようにします。

3. 擦過傷

砂利やゴミが入っている場合には、けがをした後で、早めに創部の十分な洗浄を行い、細かな異物を除去します。傷が治った後に異物が残り刺青(いれずみ)となった場合には、レーザー治療などを検討します。

4. 裂挫創

傷口のまわりの損傷の程度により治癒に時間がかかることがあります(1週間以上)。時には傷口の痛んだ組織を一部切除(デブリドマン)して縫合する場合もあります。
また、創部の汚染(屋外での受傷など)を伴っている場合は、処置後の感染(バイキンの繁殖)の危険性も高く、初期治療時に創部の十分な洗浄と抗生物質の投与が必要です。

5. 刺創

器具の先端が創内で折れて残存し、摘出が必要になる場合もあります。またかなり深い刺創で血管などが傷ついている場合には止血、深部組織の修復が必要となります。刺入部が小さくても注意を要する創傷です。

6. 咬傷

一般的には、感染しないようにすることに治療の重点がおかれ、十分な洗浄、抗菌薬の投与、破傷風の予防注射などが行われます。
歯牙による傷口は小さいので、創を切開、拡大して処置を行う場合もあります。受傷時に閉創すると、創内に膿瘍(うみ)を形成することがあるため創部は縫合せず、適宜洗浄し開放創のままで治癒させます。

いずれの治療においても傷あとが目立つ場合には、傷あとをきれいにする形成外科的手術を行います。

やけど(熱傷)とは、その分類

1. 疾患の解説

熱傷(やけど)は日常生活において最も多い外傷の一つです。
やけどとは、皮膚に高温が作用したために起こる傷害をさします。高温の液体や固体が一定時間以上接すると生じるものです。火炎・爆発などで生じる場合もあります。また、低温熱傷(後述)と呼ばれる、比較的低い温度(44~60度)で生じるやけどもあります。
この他、特殊なやけどとして、薬品(酸、アルカリ溶液など)による化学熱傷、電流(家庭電源、落雷など)による電撃傷などがあります。
その原因としては、やかんやポットの湯、コーヒーやお茶、てんぷら油、カップ麺、味噌汁など高温液体によるものがあります。次いでストーブやアイロンなど熱性固体の接触によるやけどが多く見られます。最近では、電気炊な飯器やポットの水蒸気の噴出口やファンヒータの吹き出し口に触れてしまう幼児の熱傷が増えています。湯気は熱湯以上に温度が高いので短時間で簡単にやけどとなります。

2. 症状

やけどの応急処置と治療

やけどは深さによりⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類され、それぞれ症状が異なります。その深さは皮膚組織(皮膚は外側から、表皮・真皮・皮下組織(脂肪)で構成されます)のどの部位まで損傷されているかで決定されます。皮膚の薄い子供や老人では損傷レベルは深くなります。 また、同程度にやけどを受傷しても、体の部位により皮膚の厚さが異なるため(手のひらは皮膚が厚く、手の甲は皮膚が薄いなど)損傷レベルに違いを生じます。
浅いやけどは痛みなどの症状が強く、深くなるに従い痛みは少なくなっていきます。

  Ⅰ度 Ⅱ度 Ⅲ度
損傷レベル 表皮より浅い 表皮、真皮 皮膚全層・皮下組織
症状(外見) 赤み(充血、発赤) 水疱(水ぶくれ) 乾燥(黒色、白色)
症状(自覚) 痛み、熱感(熱い) 痛み(損傷レベルが深くなるにつれて痛みが減少) 無痛、感覚なし
治癒期間 数日 1~4週間 1ヶ月以上
傷跡 残らない 残る場合と残らない場合がある 残る

Ⅰ度熱傷

Ⅰ度のやけどは表皮のみのやけどです。外見上、皮膚が赤くなり、痛みを伴います。通常数日のうちに傷あとなくなおります。

Ⅱ度熱傷

Ⅱ度のやけどは表皮だけでなく、真皮にまでおよんだやけどです。外見上は水泡形成(水ぶくれ)しています。Ⅱ度のやけどはその深さによりⅠ度にちかい浅いものと、Ⅲ度にちかい深いものに分けられます。痛みが強い場合には浅いもの、痛みが弱い場合には深いものであることが多いです。Ⅱ度の浅いやけどは傷あとを残さず治癒します。一方Ⅱ度の深いやけどは傷あとが残ることが多いです。治療期間は範囲にもよりますが1-4週間ほどです。

Ⅲ度熱傷

Ⅲ度のやけどは表皮、真皮のみならず脂肪・筋肉といった皮下組織にまでやけどが及んでいる状態です。神経や血管もやけどでやられているため、外見上白色に見えたり(時に黒)、痛みの感覚もありません。手術等専門的な治療が必要になり、1か月以上の治療期間を要することも少なくありません。また傷あとが残ることが多いです。

熱傷の応急処置

直ちに冷却することが大切です。これにより熱による皮膚への損傷が深くなることを防ぐだけでなく、受傷部位の痛みをやわらげることができます。
この場合、無理に衣服を脱がず、水道水などの流水を衣服の上から直接流します。冷却は20分くらい行います。使用する水疱(水ぶくれ)がある場合は出来るだけ破らないようにしましょう。手指のやけどの場合、指輪をあらかじめ外すようにします。受傷後時間がたつと指がはれて抜けなくなり、指輪を切断しなければならないこともあるからです。
冷却と聞くと保冷剤が思い浮かぶかもしれませんが、あまりに冷たいので、それによる凍傷を引き起こすことがあります。また冷却剤とやけどした皮膚がくっついてしまって、水泡がやぶけてしまうこともあります。

応急処置後の治療方法

Ⅱ度熱傷であれば、大抵の場合、軟膏治療・やけど専用の創傷被覆材で治りますが、ひとたび創部に細菌感染を来すと損傷は深くなり治癒までに時間がかかるだけでなく、治癒後に瘢痕(やけどあと)や肥厚性瘢痕(ケロイド様の皮膚のもりあがり)、拘縮(ひきつれ)などの後遺症を招くことになります。
そのため、ある程度の範囲のやけどでは専門医師の診察をうけたほうが良いでしょう。特に特殊部位(顔面、手、関節、会陰部)のやけどの場合は小範囲でも専門の治療が必要となります。

子供のやけど

子供の皮膚は大人に比べて薄いため、深いやけどになり易い傾向があります。そのため小児においては特にやけどの予防が大切になります。小児におけるやけどの受傷状況は特有のパターンがあるので、それを考慮にいれれば不要なやけどを未然に防ぐことが可能です。

熱湯や汁物などの高温の液体を小児の手の届く範囲に放置しない。
テーブルクロスなどを使用しない(歩き始めの子供が引っ張る)。
炊飯器やポットの蒸気の吹き出し口は子どもが好奇心を示すので注意する。
温風ヒーターの吹き出し口に注意する。
アイロン、ストーブなどの熱源に触れないよう配慮する。
電気コードや電源のソケットに注意する(幼児が口に含んで電撃傷をおこすことがある)。

瘢痕(傷あと総論)

1. 疾患の解説

擦り傷や切り傷などの外傷ややけど(熱傷)、またニキビや手術による傷が治ると、傷あとが残ることがあります。一般的に深い傷ほど目立つ傷あととなり、整容的に問題となります。浅い傷でも面積が広いとやはり目立つ傷あとになる場合があります。
傷あとと一言でいっても、それにはいくつかの種類があります。

2. 傷あとの種類

(1) 成熟瘢痕

傷は炎症とともに治っていきますので、最初は赤くて痛い傷が、時間が経つにつれ肌色?白色に近づいていくのが普通の経過で、このようにして残った傷あとを「成熟瘢痕」といいます。

(2) 肥厚性瘢痕

傷ができてからしばらくの間、傷が赤くみみずばれのように盛り上がることがあります。これを「肥厚性瘢痕」といいます。深い傷は肥厚性瘢痕となることが多いですし、傷が関節や首など、体が動くと引っ張られる場所にできると、ほとんどの傷が肥厚性瘢痕となります。胸やお腹の手術後の傷あとは、肥厚性瘢痕になりやすいことが知られています。肥厚性瘢痕は炎症がなかなか引かない傷あと、と考えるとよろしいかと思います。関節の傷はいつでも引っ張られますので、炎症がその都度おこり、なかなか炎症が引きません。完全に炎症が引くまで、1年から5年くらいかかることもあります。

(3) ケロイド

傷あとには、肥厚性瘢痕よりも炎症が強いものがあり、それを「ケロイド」といいます。ケロイドの発症には「ケロイド体質」が大きく(ケロイド・肥厚性瘢痕のページ参照)、遺伝することもあり、その原因などは様々です。このようなケロイドでも最近では、治療できるようになりました。ケロイドで悩まれている患者様は形成外科に相談してみてください。

ケロイド・肥厚性瘢痕

1. 疾患の解説

瘢痕(=きずあと)の線維成分が過剰に増殖すると、ケロイドや肥厚性瘢痕と呼ばれる状態になります。よく“ケロイド”という言葉でまとめられて使われていますが、ケロイドと肥厚性瘢痕とは全く違う疾患です。

2. 症状

ケロイドと肥厚性瘢痕の症状の大きな違いは下記のとおりです。

  肥厚性瘢痕 ケロイド
成因 真皮中層から広く広範囲に損傷が及んだ場合、
「創傷治癒の遅延」により発生
不明、真皮の表層のわずかな損傷でも、発症原因となりうる
人種 ケロイドほど人種差なし 黒人>黄色人種>白人
体質 特にないが、高度型ではケロイド体質を認めることがある いわゆるケロイド体質
好発部位 全身どこでも発生の可能性がある。
特に関節部など可動部で傷痕に緊張のかかりやすいところ。
また皮膚の部位的性状にもよる
胸の正中部、三角筋部、肩甲部、耳介、耳後部、恥骨上部が好発部位。
但し、全身どこでも発生の可能性はある
自覚症状 かゆい、いたい、あかい、ひきつれ感 左と同じであるが、症状はより強い
他覚症状 赤みがあり、盛り上がっている。もとの傷の範囲を越えない 赤みと盛り上がりが、周辺にしみだす

3. 原因

1)傷の深さ
2)傷の治るはやさ
3)傷にかかる力
4)妊娠・女性ホルモン
5)高血圧
6)全身の炎症
7)過度の飲酒や運動
8)遺伝的な問題

4. 治療方法

1)保存的治療

ケロイド、肥厚性瘢痕の治療は保存的治療が第一です。具体的な保存的治療は下記に示しますが、単独ではなく複数を組み合わせて行うことが多いです。

A. 圧迫療法 テープ、スポンジ、サポーター、シリコンゲルシートなどによる圧迫をおこなうことで固定と安静患部の安静を保ちます。

B. 外用療法
ステロイド剤の入ったテープや、ステロイド剤軟膏を使用します。(図1)
保湿を目的として、水分不透過性絆創膏を貼ります。

C. 局所注射療法
ステロイド剤をケロイドに直接注射する方法です。

D. 内服療法
抗アレルギー剤が、かゆみなどの症状に効果が認められることがあります。

E. レーザー治療
血管の数を減らすレーザーが有効とされていますが、健康保険を適用しての治療はできません。

F. その他
液体窒素を使った治療法など、種々の治療法が報告されています。
   
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